マイクロ波解析ツールの注意点について

 マイクロ波解析ツールとして現在、様々なものがリリースされている。解析ツールは便利であるが、解析結果を鵜呑みにしているだけでは、回路に対する理解は向上しないので注意が必要である。解析結果が自分が予想したものであるかどうか常に比較、検証することで回路動作の理解が飛躍的に向上する。この際の検証方法としては、極端なケースを考えると良い。例えば、周波数軸の解析の場合であれば、周波数か0、∞の時に回路がどのように振る舞うか頭で考え、解析ツールの結果と一致してるのかを見ていくのが有効である。管理人は主に以下の解析ツールを使用している。

Advanced Design System (ADS):

 Keysight Technologies社のマイクロ波回路シミュレータ。リニア動作からノンリニア動作まで解析が可能であり、マイクロ波シミュレータの基本となるツール。

HFSS:

 Ansys社の電磁界解析ソフト。3次元でモデル化し、導体間の干渉や放射まで解析可能。