シンボルレートとビットレートの関係

 デジタル変調において、シンボルとは一つの状態が続いている期間(時間)のことを表す。シンボルレートとは、単位時間あたりに変化するシンボル数であり、単位は[symbol/s]となる。また、シンボルレートはボーレート[Baud]、変調レートとも呼ばれる。

 一方、ビット(bit)とは二進数の一桁(1/0)のことを表し、ビットレートとは単位時間あたりに伝送されるビット数である。ビットレートは一定期間にどれだけの情報を伝送できるかという指標として用いられる。単位は[b/s]であり、bpsとして使われることが多い(1msで1ビット伝送の場合、1kbpsとなり、周波数は500Hzとなる)。

 BPSKのように1/0をそのまま伝送する場合は1シンボル=1ビットとなるが、QPSKのように1シンボルで2ビットの情報を持つ場合は、1シンボル≠1ビットとなる。1シンボル≠1ビットとなる変調方式を多値変調という。

 占有周波数帯域幅はシンボルレートに依存し、シンボルレートが大きい場合、占有周波数帯域幅は広くなる。このため、限りある周波数資源を節約しつつ、情報を多く伝送できる(シンボルレートが同じで、ビットレートが大きい)多値変調が用いられる。